2016年度 京都大学入試(前期・理学部) 1日目 再現答案・感想

今回はできるだけ本番の答案を再現して載せようと思います。
自分の解答を忘れそうなので、まだ解答速報は見てないです。

【国語】
<再現答案>
[1]
問1 (ア)懸念 (イ)示威 (ウ)絵空事 (エ)迫真 (オ)行使

問2 カーンとポンピアは、オウムガイの殻の成長線の数が、同じ殻ではほとんど変わらなかったことから、この線の数が1日ごとの成長の記録だと考え、オウムガイの化石を調査し、古いものほど成長線の数が少ないことを示した。科学によって月が地球から遠ざかっていることは証明されていて、その距離を考えれば、殻の線が成長の記録であるという仮説は妥当だろう、ということ。

問3 想像されたものが力強いものであろうと弱々しいものであろうと、事実はそのイメージとは無関係に存在し、過去の現実の物質的な証拠となる重みをもつが、想像によって事実を示すことはできないから。

問4 過去の現実を実際に見ることはできないが、過去の現実の物質的証拠となる事実を見ることによって、それが確実に存在していたということを知ることができる。想像によっては決して見ることのできないものを「知る」という行為に興奮する、ということ。

[2]
問1 ひとつひとつが意味をもった音声にみちあふれていた中世においては、人々はすべての音声を詳細に聞き分ける能力を持っていたため、音声によって伝えられる情報を正確に受け取ることができたということ。

問2 写本は、情報を正確に蓄蔵し、時空を超えて伝達する通信手段として洗練された利器であったのと同時に、凝った細工が加えられ、それ自体ひとつの芸術品として優れた価値を持っていたということ。

問3 (未記入)

[3]
(1)草を見て浅いと思う心情も深いと思う心情も、どちらも文章に書き出さないことが多い。
(2)狂言という芸道においては、練習の際には高貴な身分の人の前で演ずるように真剣に演じ、本番ではその緊張を忘れ安心して演じるのがよい、ということ。
(3)人は困難に挑戦するときには気を引き締めるものだが、簡単なことに取り組む際は油断して失敗するものなので、そのときは自分自身との戦いになるが、その戦いに勝つのは難しい、ということ。

<感想>
解答した順に感想を書きます。

3番の古文は(1)の訳が一番難しかったです。
言葉に「表さない」のか「表れない(表せない)」のかで迷いましたが、
傍線部前の3文がよくわかってないので、多分それで間違ってます。
草=言葉でいいのかなとは思ったのですが、自信がなかったのでそのまま書きました。
というか今気づいたのですが、これ「万の『こと草』を見るに」ですね。
「万のこと『草』を見るに」だと思っていました。
まあいろいろと残念な感じの答案ですね。
(2)は一番やりやすいでしょう。
「安心」というのはもうちょっと違う表現の方が良いと思いますが。
「落ち着いて」とかの方が良かったかもしれませんね。
(3)は言っていることはわかりやすいですが、まとめ方は悩むところです。
狂言の教訓書ということなので、敵云々という兵法の話は抽象化すべきだと思いますが、
いっそ思いっきり狂言に寄せていった方がいいんでしょうか。
今、河合塾と駿台の解答速報を見ましたが、
どうも自分はそもそも「敵なき者」の解釈を間違っていたみたいです。
「向かうところ敵なし」みたいな比喩かと思っていたのですが、
ここは実際に敵がいないとき、ということなんですね。
それで「君子はその独りを慎む」と言ってるんですね。
本番で読んでてここの意味がわからなかったのですが、やっとわかりました。
そして自分の解答がずれていることもわかりました。

2番、文章の構成や設問はスタンダードな感じです。
(1)(2)は読んだ内容をまとめるだけでほぼ成立するんじゃないでしょうか。
ただ、(1)は今見ると伝達の正確さに焦点を当てているところで
ニュアンスが違ってしまっている気がします。
(2)は書いている途中でも思ったのですが、「同時に」というだけでは
「分離できぬ」の説明ができてないのかもしれません。
といっても本文でも美しさと便利さが互いに及ぼしている影響のようなことには
言及してないと思うので、このぐらいしか書きようがないです。
河合塾の解答も大体同じ感じです。
駿台の解答も、「不可分に」という言葉は入れていますが、
なぜ不可分なのかは書いてないので実質的には同じだと思います。
(3)はやや硬めで時間がかかりそうなのでとりあえず後回し。
まあその場でできなければ大抵戻ってくる時間はないです。

1番、全体的に読みやすいがまとめにくい、という感じです。
書いた内容もなかなか思い出せなくて、
再現と実際の答案との剥離が一番大きいと思います。
そもそもよくわかってなかったんでしょう。

問1の漢字は(イ)ができたかどうかがすべてでしょう。
違うとわかっていても書くしかないです。
問2、これは結構珍しいタイプなのではないでしょうか。
現代文というよりは英語の設問にありそうな。
答案に必要な要素の抽出がかなり難しい上に、
「オウムガイ」やら殻の説明やらをだらだら書いていると
字数があっという間に膨れ上がるのでまとめるのも難しいです。
残念すぎて見るのが嫌な答案です。ほとんど点は入らないでしょう。
問3、これが一番思い出せないのですが、
本文つぎはぎ系の残念答案だったと思います。
問4、書いている途中は思いませんでしたが、
改めて読むと変質者の説明のような答案ですね。

【数学】
<再現答案>
[1](白紙)

[2]まず、p,qが素数であることからp≧2,q≧2である。
よってp^q>2,q^p>2だからp^q+q^p>4であり、
p^q+q^pが素数ならばp^q+q^pは奇数である。
したがって、p^q,q^pのいずれかのうち一方は偶数で、もう一方は奇数である。
ここで、p^q+q^pは、pとqを入れ替えても同じ式であるから、q≧pとして考える。
このとき、p,qは素数であるからp=2となり、qは奇数である。
よってp^q+q^p=2^q+q^2となる。
次に、「q=2k+1(k=1,2,3,…)のとき、2^qを3で割った余りが2である」…(☆)ことを示す。
二項定理により
2^2k+1=2・4^k=2・(3+1)^k=2Σ[1≦l≦k]kCl・3^l+2=(3の倍数)+2
であるから、(☆)は成り立つ。
また、「q=2k+1(k=2,3,4,…)のとき、q^2を3で割った余りが1である」…(※)ことを、
数学的帰納法で示す。
i)k=2のとき、q^2=25であるから、(※)は成り立つ。
ii)あるkに対して(※)の成立を仮定すると、(2k+1)^2=3A+1 (A:整数)とおける。
このとき、
{2(k+1)+1}^2
={(2k+1)+2}^2
=(2k+1)^2+4(2k+1)+4
=(3A+1)+(8k+4)+4
=3(A+2k+3)+2k
(※を示せなかったので空白)
よって素数p,qを用いてp^q+q^pで表される素数は17…(答)のみである。

[3]頂点Oから平面ABCに下した垂線の足をHとおく。
Hは△ABCの外心だから、HA=HB=HC…(1)が成り立つ。
また、AB→とAC→は一次独立だから、直線OHと平面ABCが垂直となる条件は
OH→・AB→=0 かつ OH→・AC→=0
⇔OH→・(OB→-OC→)=0 かつ OH→・(OC→-OA→)=0
⇔OH→・OA→=OH→・OB→=OH→・OC→ …(2)
(1)(2)より
HA^2=HB^2=HC^2
⇔|OA→-OH→|^2= |OB→-OH→|^2=|OC→-OH→|^2
⇔OA^2-2OH→・OA→+OH^2=OB^2-2OH→・OB→+OH^2=OC^2-2OH→・OC→+OH^2
⇔OA^2=OB^2=OC^2
OA>0,OB>0,OC>0 より OA=OB=OC …(3)
頂点A,Bから対面に垂線を下した点についても同様に考えることができるので
頂点Aを考え AO=AB=AC …(4)
頂点Bを考え BO=BA=BC …(5)
(3)(4)(5)よりOA=OB=OC=AB=AC=BCであるから
△OAB,△OBC,△OCA,△ABCはすべて合同な三角形である。
よって題意の条件を満たす四面体は正四面体である。(終)

[4](白紙)

[5]
(問題にある図と同じ図を書いて、
(1,0)にA、(2,0)にB、(0,1)にC、(1,1)にD、(1,2)にEと書く)
図のように各点に名前をつける。動点Xは、Oから出発するとき
奇数秒後にはA,C,Eのいずれか
偶数秒後にはO,B,Dのいずれか
の点の上にある。よって、n=2k(k=1,2,3…)とおくと、Xの推移は次の図のようになる。
(2k秒後→2k+1秒後→2k+2秒後の図を描く。2k+2秒後はOにつくものだけ)
図の矢印の上の数字は各移動の確率である。求める確率をp_nとし、
n秒後にXが点A,B,C,D,E上にある確率をそれぞれa_n,b_n,c_n,d_n,e_nとすると、図より
a_2k+1=(1/2)p_2k + (1/2)b_2k + (1/3)d_2k …(1)
c_2k+1=(1/2)p_2k + (1/3)d_2k …(2)
e_2k+1=(1/2)b_2k + (1/3)d_2k …(3)
p_2k+2=(1/3)a_2k+1 + (1/2)c_2k+1 …(4)
である。また、
a_2k+1 + c_2k+1 + e_2k+1 =1 …(5)
(ここまで)

[6]
f(x^3)=x^6+ax^3+bをf(x)=x^2+ax+bで割った商をQ(x)とする。割り算を実行し、
f(x^3)=f(x)Q(x)+ a(-a^4+a^2+4a^2b-b-2b^2)x + b(-a^4+a^2+3a^2b-b^2+1)
となる。f(x^3)がf(x)で割り切れるから
a(-a^4+a^2+4a^2b-b-2b^2)=0 …(1) かつ
b(-a^4+a^2+3a^2b-b^2+1)=0 …(2)
が常に成り立つ。
a=0とすると(2)よりb(-b^2+1)=0 ∴b=0またはb=±1
となるが、これはa,bの一方が虚数であることに反する。
よってa≠0.また、b=0とすると、(1)より
a(-a^4+a^2)=0 ∴a=0 または -a^4+a^2=0 ∴a=0,±1
となるが、これも条件に反する。よって b≠0.
ゆえに、f(x^3)がf(x)で割り切れるならば、(1)(2)より
-a^4+a^2+4a^2b-b-2b^2=0 …(3)
-a^4+a^2+3a^2b-b^2+1=0 …(4)
が成り立つ。(3)-(4)より…

(どこかで本番と違う計算結果になっているようで以降再現不可能、
最後の結果だけは覚えているので続きに書く)

b=-1,a=±iであり、これは条件(ロ)をみたす。
よって f(x)=x^2+ix-1 または f(x)=x^2-ix-1 …(答)

<感想>
とりあえず最初の印象を書きます。

まず、全部の問題を眺める。
京大の問題冊子はほとんど1ページに収まっているので見やすい。
パッと見では2番が印象的。しかし配点が30点なので、
2006年の4番みたいに実験してみればあっさりタイプかな。
次に1番の微分だけすぐやってみるが、すぐには形が見えない。
三角関数の変形は泥沼にはまりやすいので、いったん後回し。
3番、これは2003年に類題があって、
しかも試験前の休み時間にちょうど見たところだった。
それ以外にも頻出の要素が詰まっているが、そもそも簡単なような。
これは箸休めにとっておこう。
4番、これは時間がかかりそう。捨て問候補。
5番、じっくり分析しないとよくわからない。2,3問確保してからかな。
6番、とりあえず(イ)から式は立つのでなんとかなるか。確保したい候補。

というわけで2番からやりました。p=2,q=2,3,5,7,11とp=3,q=3,5,7ぐらいでやってみると、
候補はp=2,q=3のみで、思った通りかなり限られています。
まあ実験しなくても、ぐきぐき論法によってp=2はすぐにわかりますね。
本当はぐききぐ論法と言った方が正確かもしれませんが、
語感がいいので僕は前者で呼んでます。
そもそも僕が考えた呼び名なので僕しか使ってないと思いますが。
答案の前半はごちゃごちゃしてますが、p^q+q^pが2でないことを言っています。
とりあえずp=2まで書いて、次は3で割った余りを考えます。
すると、どうもp=2のときはp^q+q^pはq=3以外では3の倍数になっているようです。
そこでqが奇数のときの2^qとq^2を列挙してみると、
綺麗に余りが2と1で出てきました。
(後述しますが、これは一部間違ってます。)
あとはこれを示すだけなので、いける!と思ったのですが…
なぜか「q^2を3で割った余りが1」を示せませんでした。
こっちの方が簡単そうなのに。
q=2k+1でやると、qが3の倍数のときも入るので当然示せません。
というより(※)は成り立ちません。
ということはqが3の倍数でないときを考えればよいので、
q=3a±1とでもおいて2乗するだけという非常によくある処理だけで終了ですね。
これを言えばqは素数だから残りは3だけです。
もしかするとq^2を列挙するとき、
素数のqしか書き出してなくて気づかなかったのかもしれません。
そうじゃないと余りが1で出ませんからね。
なぜ3だけOKなのかをちゃんと明確にしておくべきでした。

かなり時間をかけてしまったので、焦って切り札の3番へ。
多分15分かからないぐらいで解けました。

次は一応の方針は立つ6番。
f(x)が一般的な形なので解はちょっと考えにくいし、
もしかしたら綺麗な式が出るかもと思って
とりあえず実際に割ってみました。
これでいければあとは一本道なので楽なのですが…
途中から半端なくえげつない係数が出てきます。
これは絶対出題者の意図じゃない方針だなと思いましたが、
・今の精神状況で(イ)の分析に時間をかけても何もわからない可能性が高い
・割り算さえ実行しきれば、a,b2文字に対して式2本は立つのでなんとかなる
と判断し、割り算を最後までやることにしました。
途中で何回か泣きそうになりましたが、なんとか余りが出ました。
あとは式をいじっていくと意外と綺麗にb=-1,a=±iが出たので、
合っていると思っていました。
それで今、26日に試験場で配られていた駿台の解答速報を見たのですが、
これ間違ってるみたいですね。
この再現答案の割り算は今やり直したものなのですが、
とりあえずこれは計算ミスしていることがわかりました。
(京大は解答冊子の方に計算用紙が含まれているので、
本番でやった計算は問題冊子に残ってないです。)
再現している途中で、(2)を出した後の流れが本番と違う気がしていたので、
おそらく本番で出した余りの式はこの再現のものとは違います。
ですが答えを間違えているので、結局割り算か
その後の計算のどちらかを間違えているみたいです。

ここまで終えて残り30分ぐらいで、4番は完全に捨てます。
1番か5番どちらをやるか、1は簡単なんだろうけど
さっきより焦った状況でやっても多分泥沼、
5を確保できれば3完半でセーフだろう(6を完答しているつもり)
と考え、後は5に専念しようと決めます。
とりあえず最初から何秒か動かしてみると、
Xの位置が秒数の偶奇で綺麗に分かれています。
ただそれを式にしても2秒分考えなければいけないのと、
各点の確率を設定すると文字が多すぎて厳しいです。
しかし他の方法が思いつかず、時間もないので
漸化式を立てるところまでは解答に書きます。
仕方ないのでこの漸化式を解こうとしますが、無理でした。
今気づいたのですが、なぜか途中から
「2k秒後にx座標が0になるのは点Oにいるときだけ」
→「n秒後にx座標が0になるのは点Oにいるときだけ」
という謎の勘違いをしていました。当然ですが
2k+1秒後にx座標が0の(つまりn秒後に点Cにいる)確率も考えなければいけないので、
偶奇の場合分けはやりづらいですね。
そもそも聞かれてる確率を素直に設定すれば、
x座標で場合分けできて考えやすいようになってるのに…

【1日目のまとめ】
数学ができてなかったので既にアウトです。
一般的には1,2,3を確保しないと厳しい感じですかね。
その上で4,5,6から1問取るという戦略でうまくいく人が多そうです。
人によっては2より5の方がやりやすいかもしれません。
易しめ…1,3
差がつく…2,5
めんどくさい…4,6
という感じだと思うので、1を落としたのが痛すぎますね。
2は今後多くの問題集に載りそうです。

2日目の感想はまた書きます。
Date: 2016.02.28 Category: 受験(2015~2016) Comments (3) Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

東大生

Date2016.02.28 (日) 13:39:07

東大生

Date2016.02.28 (日) 13:54:47

1,2,4,5はパターンか計算問題だから完答したかったね
京大の傾向はよく知らないけど3連立漸化式は東大でもよく見るし
最も俺は受けてないから勝手なことは言えないけども

KAZ'

Date2016.02.29 (月) 23:38:25

ありがとうございます。
京大の傾向としては3が頻出な中でも簡単な部類ですね。
6も多項式の論証は頻出で、
しかも割り算でも無理ではない(駿台の解答でも割り算してました)ので、
まあ結局は自分がやりやすいのをやればいいという感じですね。
個人的には、1みたいなのは自分がミスしやすいのはわかっているので、
解く問題のチョイス自体はこれでも良かったと思ってます。
ただ順番としては3を最初にやって勢いをつけておいた方が良かったでしょうね。

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Author:kaz'
24歳フリーターです。
2017年に京都大学理学部を受験します。

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